BCP対策として蓄電池の活用を
近年「BCP対策」という言葉を耳にする機会が増えました。
ですが、BCP対策が具体的にどのようなものなのかを理解し、実際に導入できている企業はどのくらいあるでしょうか。
BCP対策について解説し、さらにBCP対策において電源確保が重要であること、非常時の予備電源として蓄電池を備えることが望ましいことについて解説していきます。
目次
1.BCP対策とはいったい何か
2.BCP対策を策定することで取引先からの信頼度が高まる
3.電源の確保はBCP対策の初歩
4.安全に使える予備電源設備の1つが蓄電池
まとめ
BCP対策とはいったい何か
BCPというのは「Business Continuity Planning(ビジネス・コンテニュイティー・プランニング)を略したもので、直訳すると「事業継続計画」となります。
事業を中断させないために経てる計画ですね。
通常時であれば事業は中断せず継続できますが、災害が発生した場合はどうでしょうか。
近年の日本では自然災害が増えています。中でも2011年に発生した東日本大震災では、多くの企業では事業が存続できなくなったり、再開まで長期間事業が止まったりしました。
このような災害発生時でも、事業の継続が行える事業者や、素早い復旧ができた事業者もありました。
これらの企業はこの時すでにBCP対策が行われていたのでしょう。
BCP対策を策定することで取引先からの信頼度は高まる
BCP対策というと大企業が行うべきものと考えるかもしれません。
ですが、実際には大企業が事業を継続させるためには、中小企業の下支えがなければ難しいでしょう。
例えば、大企業である自動車メーカーでは、中小企業から数々の部品を仕入れ組み立てを行います。
災害時に中小企業が事業を中断してしまえば、自動車の組み立てができず事業が中断してしまいます。
大企業であったとしても、事業継続が難しくなり大きな損失をこうむるのです。
BCP対策を行っている企業であれば、災害発生時でも事業継続が可能で、部品供給が行えるでしょう。
大企業側としても部品供給が継続されれば自動車の組み立てができ、事業継続が可能となるため、信頼できる企業として認知されるのです。
近年では「BCP対策を策定している企業でなければ取引を行わないという」ケースも出てきています。
やはり災害発生時に少しでも自社の損失を減らすためには、自社のみではなく取引先の事業継続性を重視することが必要だからでしょう。
電源の確保はBCP対策の初歩
大規模な災害が発生すると、様々なライフラインが途絶えることが考えられます。
電気、水道、ガスといったライフラインの中では、電気は比較的短時間で復旧しますが、近年の大規模災害では、電気の復旧でも1週間、電力供給設備が倒壊した場合には2~3週間を要したケースが見られます。
電気が使えないと何が起こるでしょうか。電源が必要となる設備、機器が使用できなくなります。
さらに通信手段も制限されるでしょう。
コンピュータ上に保存されていたデータにもアクセスできなくなります。
業務を継続したいと考えても、業務に必要な連絡ができず、必要な情報も見られないという事態が発生するのです。
とくに通信手段の確保は重要です。
従業員の安否確認をはじめ、被害状況の把握や取引先との連絡を取り合うこと、損害を受けた設備の修理依頼をスムーズに行うためにも、通信手段を確保しておくことが必要でしょう。
固定電話は電源がなくても使用可能な場合がありますが、固定電話自体が掛かりにくい状況に陥ることも多くなっています。
近年ではWi-Fiを使いインターネット回線での連絡が可能な場合が多く、災害発生時にはフリーWi-Fi「00000JAPAN」が開設され、通信手段として用いることは増えています。
フリーWi-Fiを使うためにはWi-Fi対応のパソコンやスマートフォンが稼働できる状態であることが必要です。
つまり、これらを稼働させる電源を確保しておく必要があるのです。
安全に使える予備電源設備の1つが蓄電池
予備電源にはいくつかの種類がありますが、安全でスムーズに使えるものの1つに蓄電池があるでしょう。
非常用電源として発電機を所有する企業があるかもしれませんが、発電機に使用する燃料が手に入らなかったり、保存している場合でも劣化が起こってしまったりするケースもあります。
その点、蓄電池は災害時だけではなく通常時も電気代を抑える設備として常に稼働し、非常時にスムーズに電源供給が行える設備です。
企業で導入する産業用蓄電池は容量が大きなものが多く、一定期間業務に必要な最低限度の機器への電源供給が可能な状態に設定することが一般的です。
小規模なオフィスや電力消費が少ない企業であれば、1週間程度の電源供給が可能となります。
それ以上の電源供給が必要な場合には、太陽光発電システムや小規模風力発電システムなど、燃料を消費せずに自家発電が可能な設備も組み合わせるとよいでしょう。
まとめ
日本は自然災害が多い国なので、災害に備えておくことは必要です。
BCP対策を行うことは、自社の事業を継続させるだけではなく、社外からの信頼を高めることにも寄与します。
BCP対策には様々なものがありますが、電源の確保は初歩的なものとして必要不可欠といえるでしょう。
安全に電源を確保できる設備の1つが蓄電池です。
産業用蓄電池であれば小規模なオフィスや電力消費が少ない企業の場合、1週間程度の電源確保が可能となりますよ。
蓄電池は停電時以外にも電気代の節約などに活用できる設備です。
BCP対策として、さらに普段のコスト削減に、蓄電池の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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