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蓄電池で使われるリチウムイオン電池の危険性は?その種類と安全性をリサーチ

No.1のタケミです。

最近は災害時の備えとして、蓄電池を購入されるご家庭・企業も増えていますが、その蓄電池にはリチウムイオン電池が使われています。
リチウムイオン電池は、私たちの身近にあるスマートフォンやノートパソコン、モバイルバッテリーなどの電気製品に使われており、
小型で高性能、充電をして繰り返し使えるといった特徴を持つ電池です。

ただ、蓄電池として使われるリチウムイオン電池ですが、そこに潜む危険性はご存知でしょうか?
消費者庁では、リチウムイオン電池を落としたり、強い衝撃や圧力を加えたりしないよう警笛をならしています。
そこで今回は、今や私たちの暮らしに必要不可欠な蓄電池(リチウムイオン電池)についての危険度と安全性をリサーチ。
電池の基本的な情報から、安全な蓄電池を選ぶための情報をお届けいたします。

 

◆目次

1 電池の基礎知識
1.1 電池とは
1.2 電池の種類
2 リチウムイオン電池とは
2.1 リチウムイオンとは
2.2 リチウムイオン電池の発電の仕組みと特徴
2.3 リチウムイオン電池はどんなものに使われているか
3 リチウムイオン電池の種類と危険性
3.1 リチウムイオン電池の種類と危険度
3.2 リチウムイオン電池の規制
3.3 リチウムイオン電池の事故例
4 蓄電池に使われる電池の比較
5 リン酸鉄リチウムイオン電池の蓄電池の安全性について
6 まとめ│安全性の高いリン酸鉄リチウムイオン電池がおすすめ

 

1 電池の基礎知識

1.1電池とは

電池とは、物質の化学反応または物理反応によって放出されるエネルギーを電気エネルギーに変換する装置です。
電池内部で電子(イオン)が電解質を通し、極間をマイナスからプラスに移動することで「動力(電圧)」が発生します。

1.2電池の種類

電池は大きく分けて一次電池と二次電池の2種類あります。

一次電池は使い切りの電池です。
例えば、マンガン電池やアルカリ電池です。
車のスマートキーなどで使われている、ボタン型・コイン型と呼ばれる電池もほとんどが一次電池になります。

一方で、二次電池は充電して繰り返し使える電池のことです。
繰り返し使える仕組みは、移動する電子(イオン)を外部からの充電電流により「スタート地点」に戻すということです。
このことにより、使い切りではなく繰り返し電池を使えるようになりました。

 

2 リチウムイオン電池とは

2.1リチウムイオンとは

まず、リチウムとは元素周期表で3番目に位置しており、金属の中ではもっとも軽いものとして知られます。
その密度は水の約半分ほどで、軟らかい金属でもあります。
また、周囲との反応性も大変に高く、空気に触れただけでも空気中の窒素と反応して窒素リチウムが生成されてしまいますし、
水とも容易に反応して燃焼します。
このような理由があるため、リチウムは単体では存在せずリチウムイオンとして存在します。
同時に、最も電子を放出しやすいという特徴も持っているので、電池にとても使いやすいと考えられました。

2.2リチウムイオン電池の発電の仕組みと特徴

リチウムイオン電池は、正極にリチウム含有金属酸化物、負極にグラファイトなどの炭素材、電解液に有機電解液を用いて発電します。
エネルギー密度が高く、急速充放電が可能です。
しかも自己放電が小さいため、長時間充電していない状態で長期間放置されていたとしても、充電したエネルギーを長期間保存し、
効率よく使用することができます。
また、充電を繰り返すことによる悪影響が少なく、長寿命が期待できます。

2.3リチウムイオン電池はどんなものに使われているか

リチウムイオン電池が最も多く用いられているのは、ノートパソコンやスマートフォンを含む携帯電話など。現代人の生活に欠かせないモバイルIT機器のバッテリーです。
リチウムイオン電池の小型・軽量という特徴が、モバイル IT 機器のバッテリーとして用いられている最大の理由です。
その他にも、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の動力源としても欠かせません。
また、太陽光発電で生み出した電気を蓄える用途でも需要が拡大しています。

 

3 リチウムイオン電池の種類と危険性

3.1リチウムイオン電池の種類と危険度

リチウムイオン電池は身近にあるものですが、その中にも種類があり、危険度は大きく異なります。
ここでは、リチウムイオン電池の種類と危険度、何に利用されているかをお伝えします。

●コバルト系
世界で初めて開発されたリチウムイオン電池です。最もバランスの取れた正極材量でモバイル機器を中心に幅広く使用されていました。
しかし、原価が高く価格変動が激しいだけでなく、熱暴走の危険もあるため、現在はあまり利用されていません。

●ニッケル系
最も高容量の電池ですが、安全面に問題があります。

●マンガン系
原価が安く、熱安定性に優れ、安全性が高いことから車載用電池の主流となっています。

●三元系
ニッケル・マンガン・コバルトの三元素の化合物をつかった電池です。車載向けにコバルト系よりも安全性を高め、改良されたものになります。

●チタン酸系
負極にチタン酸、正極にはマンガン酸を使用した電池です。負極に黒鉛を使用する従来型電池に比べ、
6倍の長寿命と10分以内に充電が可能な急速充電が可能です。他の電池は定格電圧が3.7V程度であるのに対し、
チタン酸系は2.4V程度しかなくエネルギー密度が低いことが欠点です。
高い安全性により、現在ではモバイル医療機器に使用されていいます。

●リチウムポリマー系
他の電池が電解質に有機溶媒液体を使用しているのに対して、ゲル状の電解質を使用し電池の筐体をアルミラミネートの
フィルムにすることで形状の自由さと重量の軽さを備えた電池です。けれども、折り曲げたり衝撃を加えたりすると危険です。
また、過充電・過放電によって筐体が膨らみ、ショートが生じると発火・炎上する危険性もあります。
ほぼすべての携帯電話・スマートフォン・タブレット等に使用されています。

●リン酸鉄系
電池内部で発熱があっても結晶構造が崩壊しにくく、安全性が高い電池です。電材として価格は割安ですが、
リチウムイオン電池化するのにコストがかかります。
電池の定格電圧が3.7V程度であるのに対し、リン酸鉄系は3.2V程度でエネルギー密度が低いことが欠点です。
電動工具や電動自転車、蓄電システムに使用されています。

3.2リチウムイオン電池の規制

リチウムイオン電池の発熱・発火事故が多発する事態を受け、2008年5月に『電気用品安全法施行令』が改正され、
リチウムイオン電池が規制対象(特定以外の電気用品)となりました。
リチウムイオン蓄電池(単電池1個当たりの体積エネルギー密度が400ワット時毎リットル以上のものに限り、
自動車用、原動機付自転車用、医療用機械器具用及び産業用機械器具用のもの並びにはんだ付けその他の接合方法により、
容易に取り外すことができない状態で機械器具に固定して用いられるものその他の特殊な構造のものを除く。)
引用:経済産業省 HP https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=337CO0000000324

つまり、
・体積エネルギー密度が400Wh/l未満のもの
・簡単に取り出せない構造になっているもの
は、規制の対象外で、発熱・発火の可能性が低いということです。

3.3リチウムイオン電池の事故例

リチウムイオン電池による事故で多いのが、発火・破裂の事故です。
ここでは、消費者庁で紹介されている、実際に起こったリチウムイオン電池の事故例を4つ紹介します。

【事例1】特急電車に乗っていたら、バッグの中で携帯電話の補助バッテリーが突然青っぽい火を噴き、バ
ッグと電車の床のカーペットを焦がした。すぐに火は消えたが、電車は急停車し、近くの消防署が駆けつけた。
調査の結果、バッテリー内部から火が出たと思われるとのことだった。(事故発生年月:平成 27 年7月)

【事例2】電車に乗っていたら胸ポケットのモバイルバッテリーが急に熱くなった。ホーム停車中だったため、
慌てて電車から降りてホームにモバイルバッテリーを投げ出した。直後に火柱が上がり、駅員がバケツの水で消火した。
私にけがはなかったが、上着のポケット部分が焦げてしまった。もし走行中の電車内で炎が上がっていたら
大事故になったと思うと恐ろしい。(事故発生年月:平成 29 年4月)

【事例3】新幹線の中でかばんに入れていたスマートフォンのモバイルバッテリーが破裂し、両足にやけどをした。
全治2週間と言われたが、1か月経過してもまだ治らず、通院中。モバイルバッテリーはスマートフォンには
つないでいなかった。新幹線が 15 分くらい止まったため、消防と警察が捜査した。(事故発生年月:平成 30 年9月)

【事例4】スマートフォン用のモバイルバッテリーを充電していたら、煙が出て発火した。指もやけどした。
(事故発生年月:平成 29 年 12 月)

引用:消費者庁 モバイルバッテリーの事故に注意しましょう! -帰省や旅行の時期、公共交通機関の中での事故は特に危険です-
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_020/pdf/caution_020_190731_0001.pdf

リチウムイオン電池による事故、自分の身に同じことが起こったらと思うと、とても恐ろしいですよね。
また、東京消防庁から実験映像も配信され、リチウムイオン電池への注意を促しています。

4 蓄電池に使われる電池の比較

蓄電池に使われている電池も様々あり、それぞれ特徴があります。

鉛蓄電池ニッケル水素電池リチウムイオン蓄電池NAS蓄電池
電池正極:二酸化鉛
負極:鉛
電解液:希硫酸
正極:オキシ水酸化ニッケル
負極:水素吸蔵合金
電解液:アルカリ水溶液
正極:リチウム含有金属酸化物
負極:グラファイトなどの炭素材
電解液:有機電解液
正極:硫黄
負極:ナトリウム
電解質:β-アルミナ
特徴もっとも古い歴史を持つ蓄電池リチウムイオン電池の登場まで、多くのモバイル機器のバッテリーとして用いられていた家庭やオフィスで用いられるほか、大規模施設のための大容量化の開発などが進められている「NAS」は日本ガイシ株式会社の登録商標
用途自動車のバッテリー
非常時バックアップ電源
ハイブリットカー
人工衛星や宇宙探査機
ノートパソコン
スマートフォンを含む携帯電話
工場のバックアップ電源
長所比較的低コスト
使用実績が多い
比較的広い温度範囲で動作可
過充電に強い
高電流密度による放電が可能
リサイクル体制が確立されている
長寿命
過充電や過放電に強い
急速充放電が可能
急速充放電が可能
充電状態が監視しやすい
エネルギー密度が高く急速充放電が可能自己放電が小さい
比較的長寿命
構成材料が原始的に豊富
比較的低コスト
充放電時の自己放電などがない
充放電のエネルギー効率が高い
長寿命
課題充放電のエネルギー効率がほかの電池よりも低い寿命が短い
コストが比較的高い
自己放電が大きい
有機電解液を用いていることから、高い安全性確保策が必要作動温度が300度程度と常温では動作しないため、ヒーター等による加温が必要

5 リン酸鉄リチウムイオン電池の蓄電池の安全性について

リン酸鉄リチウムイオン電池はリチウムイオン電池の一種で、正極材料にリン酸鉄リチウム(LiFePO4)を使用した電池になります。
リチウムイオン電池の課題として挙げた、『有機電解液を用いていることから、高い安全性確保策が必要』という点をクリアしています。
結晶構造が強固なため熱安定性が高いことが特徴です。
また、鉛二次電池の自己放電は月に約20%に対し、リン酸鉄リチウムイオン電池の自己放電率は月に1%です。
長期間放置しても充分な電力が得られます。
-20℃の低温環境でも使用可能で幅広い場所で活用できます。

 

6 まとめ│安全性の高いリン酸鉄リチウムイオン電池がおすすめ

リチウムイオン電池にも様々な種類があります。
過去に爆発・発火事故を起こし社会問題となったのは、コバルト系やポリマー系 、三元系のリチウムイオン電池です。
一方、安全性が高いリチウムイオン電池もあります。
それは、リン酸鉄リチウムイオン電池です。エネルギー密度が低く、過充電・過放電状態になっても爆発しない特徴があります。
また、長期使用(約10年)も可能です。

リン酸鉄系以外のリチウムイオン電池は、経済産業省より発火・爆発の危険性が指摘されているので、気を付けてください。
リチウムイオン電池の使用・購入を検討されている場合は、リン酸鉄系のリチウムイオン電池をお勧めします。

中でも私がお勧めする『E.P.Smobile』蓄電池は、安全性の高いリン酸鉄系リチウムイオンを採用した蓄電池です。
『E.P.Smobile』は、災害緊急時と電源確保として、官公庁や大手企業でも採用されている蓄電池です。
物理的にもコンプライアンス的にも安全安心なバッテリーとなっています。

「どのような蓄電池か気になる」と、思われた方に向けて、現在デモ機による実演を行っています。
実際操作することができ、詳しい説明も聞くことができます。
気になられた方は、ぜひ一度ご検討ください。

 

非常用蓄電池【E.P.Smoble】株式会社No.1